Archive for 5月, 2008

燕のこと

日曜日, 5月 11th, 2008

私の住んでいるマンションの一階東側には、万一の場合に備えての消防車の活動区域として一定のスペースが設けてあります。私が日課のウォーキングを終えて帰ってきた後、このスペースの側でクールダウンの体操をします。毎年の事ですが、春先になるとこのスペースのマンションの天井を支える梁の一角に燕が巣を作って雛を育てるのです。今年も例年通りに燕がやって来て何やら忙しく出入りしております。間もなく卵を産みつけ雛が孵るはずです。私が不思議に思うのは、こうしてやって来る燕は「去年ここの巣で育った子供なのか」それとも「去年ここで卵を産んで雛を孵した親鳥なのか」という事なのです。もしこれが去年生まれ育った子供だったら親は何処へ行ったんだろうか、もしこれが去年と同じ親鳥だったら去年生まれって巣立ったはずの子供は何処へ行ったんだろうか、という疑問です。聞くところによると燕は日本が秋を迎えて寒くなる直前に日本を離れて遠い南の島で越冬して来年春先の気候が暖かくなるころにまた日本に戻ってくるという事ですが、何千キロも離れた遠い南の島から一年もたった後に迷わずにこの愛知県の豊山町へ戻って来ると言う事実も不思議でなりません。中国大陸や朝鮮半島へ行ったとしても不思議ではないのに、と思えて仕方ありません。私がここに住み始めて既に十一年の歳月が流れておりますが、燕は毎年帰ってきます。そして必ず卵を産み雛が孵って巣立っていきます。名札を下げている訳でもないので子供の燕なのか親燕なのかさっぱり判らないのです。この先何年間かこの疑問と同居しつつ親鳥か子供の鳥かを確かめる術もなく過ごしていくのでしょう。そして私も年を重ねていくのです。誰かこの不思議を教えてくれませんか?燕の事でもう一つ気付いた事が有ります。一階のコンクリート土間からツバメの巣までの高さは約3m弱位です。二羽の燕が交代交代で巣に出入りしているのですが、私が近づくとどちらの燕も巣の側まで飛んではくるのですが、絶対に巣にとまろうとはしないのです。どうやら近くに居る私に巣の存在を知られたくないようです。その証拠に、私が側のコンクリートの柱に身を隠すとスーッと飛んで来て巣にとまるのです。親代々から備わった防御本能なんでしょうかねえ。でも、私が巣の存在を数年前から知っている事と、この燕の必死の努力を考え合わせて見ると、何だか滑稽にも思えますけど・・・・・。