最近日本の各地の住宅街で「野生の猿」らしい「迷い猿」が出没して、民家の中や庭先に入り込んで、偶々出逢わせたその家の人に噛みついて傷を負わせたと言うニュースが新聞やテレビで報道されております。地域の人達が色々知恵を絞って捕獲に懸命ですが、必死で逃げ回る猿はなかなか捕まらない様です。私が気になったのは、この捕獲作業をカメラで追っかけて報道しているテレビレポーターの言葉です。曰く「史上最強の猿、今日も人を噛む」「悠然と屋根から屋根へ移動」などの表現です。何かの理由で民家近くに迷い込んだ猿が、大勢の人間に追い回されて、それこそ命からがら逃げ回っているのです。捕まったら殺されるかもしれないと言う恐怖心に駆られて文字通り「必死の体で逃げている筈である」ことは、テレビ画面を通してしか見ていない私にも容易に想像できるのです。そこには心の余裕などは微塵も無い筈だし、ましてや眼下で右往左往している人間共を屋根上から悠然と見下ろす余裕などこの猿には絶対にないと推察されます。にも関わらず件のレポーターは、「史上最強の猿」とか「悠然と移動中・・・」とかまるで何処かの戦場にでも居て報道している様な表現です。捕まりたくなくて必死で逃げずり回っている猿が、偶々出っくわした人を噛んで逃げたからと言って、それが如何して「史上最強の猿」に為るんでしょうか。何に対して、誰と比べて「史上最強」なのでしょうか?、何時代のどんな歴史と比較して「史上最強」になるのでしょう?。民家の周りを走り回って、目を吊り上げて上ずった声で叫び続けているレポーターの間の抜けた表情がむしろ滑稽に思えてなりませんでした。「史上最強」等と言う言葉は、こんな場面で使う言葉では無い筈です。レポーターならば、どんな場面に有っても常に冷静で客観的な観察をして報道すべきであり、自分がその雰囲気に呑み込まれて、気持が上ずってしまったならば、正確な現場の模様を、テレビを見ている人達に伝える事等、絶対に出来ないと考えます。テレビカメラの向こうには常に大勢の視聴者の目や耳が有るんだと言う事を片時も忘れないで対応してもらいたいし、視聴率を上げようと言う狙いかも知れませんが、以後このようなセンセーショナルな言葉を安易に連発する事は厳に慎んで欲しいと思うのです。
Archive for the ‘’ Category
「迷い猿」の報道のこと
月曜日, 9月 20th, 2010選挙の立候補者のこと
水曜日, 8月 11th, 2010前回実施された「参議院議員通常選挙」で、毎度の事ながらその立候補者について色々取り沙汰されていました。かってスポーツ界や芸能界等で活躍して全国的に名前を知られている人達の事である。マスコミなどはこれらの立候補者達をを所謂「タレント候補」という呼び方で取り上げて盛んに報道していました。そしてその番組の中で必ずと言っていいほどに「一般有権者へのインタビュー画面」を入れて、その各候補者達の立候補が納得できるものかどうかを尋ねて、どちらかと言うと批判的な意見の人の声を多く報道していたように思います。政治の事を何も分かっていない人が、只名前が売れているというだけで立候補するのはどうかと思う、と言う事を強調したいような雰囲気が感じ取れるのです。私はこれらの現象を見聞きして何時も思うのですが、元スポーツ選手・元映画女優・元タレント等など、誰が立候補しても構わないのではないか、是こそが開かれた民主主義の神髄だと思うのです。一昔前の無愛想な中央官庁の役員を組織で丸抱えして当選させると言う様なやり方は私は好みません。組織力もない一般の市民誰でもが立候補できる事こそが、自由な選挙の本来の姿ではないでしょうか。問題は投票する人の側に有ると思うのです。マスコミにたくさんん取り上げられて有名な人だからとか、顔が可愛いからとか、スタイルがいいからとか、有権者夫々が自分の意思で投票するのもまた民主主義の根本だと思いますが、要は有権者自身が「自分の国の将来を託せる人」・「その為に熱意の感じられる人」と言うのが最も重要な判断基準に為るのではないかと思うのです。世評に押されムードに流されて目先の事に捕われてせっかくの一票を無駄にして後で「あんな人に投票するのではなかった!」と後悔しない様によくよく吟味して無駄のない選挙権を行使したいものです。
韓国テレビドラマのこと
木曜日, 5月 13th, 2010一年ぐらい前から「韓国のテレビドラマ」を見るようになりました。現代劇・時代劇・を問わずよく見ます。とにかく面白いのです。その理由は幾つかありますが、一番感じる事は、画面で演技をしている役者さん達が、主役の人や脇役の人を問わず、真剣に役に取り組んでいる姿勢が感じられて、とても好感が持てるのです。そして見終わった後に気持ちのいい爽快感が残るのも毎度の事です。日本のテレビドラマの様に、俳優さん達の名前が分かっていて、新聞のテレビ番組を見ただけで誰が悪人役で誰が善人役か判別できるような事もありません。長い事沢山のアメリカ軍が駐留していると云う環境のせいもあるのか、男の俳優さん達の仕草が何所か西洋人の俳優さん達を連想させるような仕草が見られて、日本の俳優さん達とは違った洗練された魅力を感じてしまうのです。キザだと思う人もあるかもしれませんが、私は「キザ」を通り越して、既に彼等の身に付いた普段の動作に思えて嫌味等感じた事はありません。大勢の日本の女性達が彼等のファンになって、韓国ツアーに夢中になるのも解るような気がします。香港映画の役者さん達の動作と大きく違うのがこの事だと思うのです。私が出演者達の名前も顔も知らない事も幸いしているのかもしれません。物語がどう展開していくのかも全く予想がつかないので、その分興味も倍増するんだと思います。又、俳優さん達ばかりでなく、女優さん達も素敵です。綺麗な顔立ちの人達が沢山画面に出てくるのも楽しみの一つです。気のせいか、韓国の女優さん達の中には、日本で云う処の「色白で、いわゆる男好きのする顔立ちの人」が多いような気もします。ともあれ、よほどの事でもない限り、私の韓国ドラマ趣味はここ当分は止みそうにありません。