「万全を期す」と言うこと

「豚インフルエンザ」の発生を受けて政府や各関係機関の責任者達が口をそろえて「日本国内に患者が入って来ないよう水際対策で万全を期すように指示をした」と言うような趣旨のニュースが連日報じられています。今回の事に限らず過去にも、何か事が起きると「同じ事が起きない様に万全の体制で対応します」とか「万全を期して対応します」等と、この「万全を期すと言う言葉」が頻繁に使われている事に気がつきます。広域にわたる自然災害や大規模な事件事故等の後によく使われている言葉です。ところが、後日、各事件事故の現場で詳細な検証が行われて、それらの災害や事件事故の原因が、ごく些細な人間の不注意によって引き起こされていた事が分かったりすると、この「万全を期す」と言う言葉が、とても白けた無意味な言葉であったことが分かり情けなくなることが有ります。食品の産地や賞味期限の偽装表示、ビルの耐震工事の手抜きや偽装表示、消えた年金問題等、枚挙に暇がない位です。災害が起きて其の補修工事をやって又同じような災害が発生すると「今回は想定外の規模で雨が降ったから」とか「想定外の震度が有ったから」等と言う弁解をする関係者もおります。「万全を期す」と言う事は「あり得べきあらゆる事柄を想定してそれに対応すべきあらゆる手段方法を予め確立しておくこと」に他ならないと考えます。今回のように、こと「人の命に関わる様な重大な事柄」に関しては些細なミスも許されない事であり、有ってはならない事だと思います。一寸したミスから「あれは想定外だった」等と言い訳しなくてもいい様に、それこ、そ文字通りの「万全の体制」で事に当って欲しいと思います。事、人の命に関わる事ですから・・・、。

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