グルメリポートのこと

去年の年末から正月にかけて、色々な地域の様々な料理を紹介する番組が花盛りの態をなして今も続いております。しかもそれは日本国内に留まらず、世界各地域にまで及んでいるので驚きです。そしてそこに登場するのが所謂「グルメリポーター」なる人物であります。時には有名芸能人であったり著名な料理職人であったり今を時めく芸人達であったりと、その方法も多種多様であります。時にはテレビ各局のリポーターなる人やアナウンサーまでもが登場することがあります。ところが、気をつけて視聴していると、誰がレポートしても結論は「美味しいです」又は「美味い」の言葉に集約されてしまっている、と言う事です。後はこの「美味しいです」という言葉に如何に飾りをつけて言葉にするかの違いでしかない、と思います。かってこの美味しいという言葉(美味い)を「まいうー」と表現して流行語にもなった芸人が居ましたが、彼の場合は、レポートしている料理を食べる時の仕草や表情が如何にもそれらしく視聴者に受けて今も活躍しているわけです、これはほんの数少ない成功例の一つと言えるでしょう。その他の人の場合、その殆どが、どんな料理をリポートしても、似たり寄ったりで新鮮味が乏しく見ていても味気無いものになってしまうのです。曰く「○と○と○の味がお口一杯に広がってとっても美味しいです」「柔らかくて甘みがあってそれが口一杯に広がって美味いです」等等のたぐいであります。元々料理を食べる時は誰でも例外無く、口へ食べ物を運んで食べます。口以外で物を食べる人は居ません。ですから、食べたものの味が口一杯に広がるなんて言う事は当たり前であって、ワザワザ取り立てて言うほどの事では無いと思うのです。料理が美味しいと言う日本語は沢山の方言は別にして「美味しい」「美味い」の二種類位しか無いのです。よってこれからグルのレポートをすることになった人は、言葉よりも表情や動作でその美味しさを表現するようにしたらどうかと思うのです。美味しくなればなるほどその動作や表情をもっともっと大袈裟にして、そのことでその美味しさを視聴者に伝えると言う方法をやったら、グルメレポートも、もっと楽しくて愉快な番組になるのではないでしょうか。

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