先日こんな事が有りました。私が日課のウォーキングから帰宅してマンションの駐車場の広場でクールダウンの為の運動をやっている時、直ぐ傍にある「県営小牧空港」から突然自衛隊のジェット戦闘機が一機飛び立ったのです。スクランブルの訓練か本物かは分かりませんが、濃い緑色の機体に鮮やかな日の丸をつけた自衛隊の最新鋭機F104戦闘機だったと思います。その音たるや正に耳をつんざく様な凄まじい音で、地響きさえしたような轟音でした。機体は垂直に真上に舞い上がり、あっという間に雲の中に消えていきました。その間わずか数秒でした。ところがこの爆音が小さくなったと思った頃に、今度は駐車場に停めてあった車の中で、一番奥のほうに停めてあった小型車が、突然ピーピーと言うような異様な音を出しながらヘッドランプを点滅させ、加えて前部のワイパーまでが動き始めたのです。その動きが私にはとても賑やかなお祭り騒ぎのように思えたのですが、直ぐ「車の盗難防止用のセンサーが今の戦闘機の轟音か振動に反応して鳴り出したのだ」と理解できました。間もなく車の所有者が駆け下りてきて、センサーのスイッチを切ったのかこの騒ぎは収まったのです。さて巷では「ロボット時代到来」とか「ロボットが人間を支配する時代が来るぞ」等といわれる様になり、特に先般行われた「愛知万博」以来その声は大きくなり、楽器を演奏するロボットや、車を運転するロボット、更にはテレビのCMに出てきて喫茶店の給仕をするロボット等等、枚挙に遑が無い位です。体の不自由な老人を癒す為のペットのロボットまで有るようです。映画でもロボットが発達して逆に人間を支配するようなストーリーのものまで作られてこれが大ヒットしている時代です。でも、私は初めに述べたような事を考えると、所詮ロボットは人間が作った機械に過ぎない。いくら発達しても人間が考えて作り上げたセンサーの力で動いているに過ぎないとしか思えないのです。「ロボットが自分自身の意思で、自分の考えで判断して行動するときが来る」などとは到底思えません。馬鹿正直に人間の作ったセンサーに従って反応し、精密かつ巧妙に作られたシステムに従って行動しているに過ぎないのです。それ以上でもなくそれ以下でもない、人間が作り上げた精密な機械に過ぎないのです。予測出来ない事柄に遭遇した時に、咄嗟に自分で考えて判断して行動する等と言うことは、人間と同じ様な頭脳を持っていないロボットには、絶対に出来ないことだとつくづく思った瞬間でした。人間に限りなく、限りなく近づいた思考や行動をとるロボットは出てくるでしょうが、人間を陵駕して支配するロボット等絶対に出て来ない筈です。そうなって欲しくありません。「猿の惑星」ならぬ「ロボットの惑星」等と言う現実は考えただけで身の毛がヨダツ思いです。ジェット機の爆音を聞いてあれこれ考えを廻らせてみました。