予想に反して大相撲は横綱朝青龍の優勝で決着が付いた。そのことは良いとして、情けなかったのは大関陣だ。優勝した横綱は場所前から左の肘が悪いと言われ、その痛みをおしての土俵だった。にも拘らずいざ勝負になると肘の事等忘れさせてしまうような奮闘振りで、見ていた人はあっけにとられたのではないだろうか。それに引き換え横綱と対戦した大関陣のだらしなさ!!相撲をとる前の仕切りの時から顔の表情は締まりが無く仕方なしにやってるとしか思えない顔付きであった。横綱の我武者羅とも言うべき必死の表情とは裏腹に、出てくる大関陣はどれも之も取り組む前から勝負を諦めた情けない表情にしか見えなかった。特に酷かったのは、最先輩の大関の態度である。仕切り終えて立ち上がった瞬間にもう半ば薄ら笑いを浮かべるような表情で勝負に踏み切り、案の定簡単に寄り切られてしまった。年齢的なものもあるとは思うが、プロとして勝負の世界に生きる者ならば、勝ちっぷりや負けっぷりで最善を尽くし、勝っても負けても「良くやった」と称えられるような勝負を見せて欲しいのだ。「かっての貴乃花」の様に。相手が調子の悪い左肘をそのままにして勝負を挑んでくるのなら、その悪い方の肘を狙ってでも勝ってやろうと言うファイトを見せて欲しいのだ。それがプロの勝負ではないだろうか。よく「クンロク大関」と言われる事がある。幕下から這いあってようやく大関になったが、既に年がきていてその上は望めず、毎場所九勝六敗でどうにか勝ち越して場所を終わるという大関のことだ。給金だけ貰ってそれで事足れりと思っている人がいたら即刻土俵を降りて欲しいのだ。やる気のない相撲なんか見たくも無いのだ。丁度何処かの金持ちのプロ野球球団の有名外野手のやり方と似ている。シーズン始めは体の調子が良くてこのまま行けば相当の成績を収めるだろうと思われて、夏場へ差し掛かる頃になると決って足か腰の状態が悪くなって夏場一杯休場となり、暑い夏の盛りは冷房の効いた病院の特別室で過ごし、シーズン終了の少し前ごろに青白い顔で復帰して三割そこそこの成績を残し、来シーズンへの言い訳を作ってシーズンを終わるという選手がいる様だ。こんな選手ももう辞めて欲しい。「帳尻合わせ」のプレーなんか見たくも無いのだ。大麻問題で揺れる相撲界よ!!高級金に安住する事無く、むき出しのハングリー精神で今一度活気を取り戻すよう、ただひたすら努力される事を望んで止まない。