必勝祈願のこと

プロ野球もシーズンの終盤を迎え、どこの球場でも、試合・応援共に熱を帯びてきた感が有ります。中にはリーグ優勝を表すマジックなるものを盛んに取り上げられて騒がれているチームがあるかと思えば、今年も「最下位ほぼ確定」と言われて低迷している球団もあります。チームを統括する球団オーナーを始め監督、コーチ、その他大勢のプロ野球関係者のご苦労もヒトシオだと推察しているところです。さて、ここで不思議なのが見出しに書いた「必勝祈願」なるセレモニーの事です。毎年どの球団も練習のためのキャンプを張ります。寒い日本を脱出して海外で練習する球団もあれば、国内の温暖な地方へ移動してキャンプする球団もあります。面白いことに、どの球団もキャンプ地の近くにある神社などへ出向いて監督以下ほとんどの選手が参列して柏手を打って参拝します。記者団のインタビューにはどの球団も口を揃えて「狙うは優勝です」「Aクラス入りを狙います」「選手の健康を祈ります」等と威勢のいい返事が返ってきます。さてシーズン終盤を迎えた今、毎日報道されるプロ野球の「勝敗表」を見てみると、勝ち数と負け数が全く逆になっている球団が有ります。同じように「必勝祈願」をしているのに、開幕以来五ヶ月経った今、何故にこんなにも差がついたのでしょうか。勝っている球団は「必勝祈願」なるセレモニーのご利益があったと思われますが、負け数の多い球団のご利益はどうなってしまったのだろうと思わずには居れません。勝ってる球団は「お供え物が多かったのか」とか、負けてる球団は「お供え物が少なかったのか」「お参りしていた球団関係者の中に真剣にお参りしていなかった人が居たのでは」等と勘ぐりたくもなってきます。色々な情報が飛び交う昨近、勝敗の予想もかなりの確率で的中するようになってきました。これらの予想の中に、「飛翔祈願」のやり方が拙かったとか、逆に「必勝祈願」のやり方が良かったとか言う理由を上げる解説者は一人もおりません。予想の裏付けになるのはほとんどが「選手の実力」や「経歴」「体力」「チームとしての纏まりの良さ」「監督の手腕」「親会社の経営方針」など等です。そしてその予想は大体的中します。特に「最下位チーム」と「優勝チーム」の予想は確率が高い様です。それならば、あの毎年恒例となっている各球団の「必勝祈願」なるセレモニー(敢えてセレモニーと言わせてもらいます)は取り止めたらどうなんでしょうか。このセレモニーに要する費用や時間を、選手の育成等の他の方へ回したらどうでしょう。弱小球団は、特にお金を使っていい選手を沢山とって来季に備えるとか。プロ野球の勝敗表を眺めながら、ふとコンナ事を考えたりしました。でも、これは、良く良く考えてみると、何もプロ野球の世界のことだけではありませんでしたね。私達個人の日常生活にも同じ事が当てはまるんでしたね。年寄りがコンナ事を考えて暮らしていける日本はそれだけ平和な国なんだと感心したりして・・・。

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